15 なぞる 円をかく

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さて、何をしているところでしょう。ヒント:クリスマスパーティです。

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そう、天使をドレスアップさせました。昨年のミサとパーティにたくさんの園児親子が参加、各グループから選ばれたモデルの天使に素敵な衣装をつけました。材料はデパートなどで衣類を包んでくれる白い薄い紙です。これも幼稚園に大量に寄付してもらたので、欲しい方はどうぞ。

 

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 コンパスが無くても円がかけます。細長い紙の両端に小さな穴をあけ、一方をピンなどで固定してもう一方に鉛筆の先をいれて、慎重に、クルリ。子どもは絶対夢中になります。大きさを変えたり微妙に支点をかえると面白い模様が作れます。下には段ボールを敷いて置けばいいですね。白い紙は例のカレンダーの裏です。

 鉛筆を正しく持つことは教えてください。慣れると、正しい持ち方が一番疲れず効率が良いことが体感できます。筆圧にも関係するので、持ち始める時期に正しく教えます。初めは薄く描いた線の上をなぞる練習から始めます。幼稚園では年長児が数字やひらがなを習います。まずなぞることからやります。おうちで塗り絵やお絵かきをたくさんした子は指の力の入れ方が自然で、得意です。あまり指先を使っていない子はどうしてもユラユラした線になり、力が一定しません。短い時間でいいので、なぞったり、円や図形を描いてみることをぜひ親子で時々楽しんでください。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (14回)

 香港の生活について、ちょっと触れます。当時は香港はイギリス領。アジアの玄関口として発展し、30年前もきらびやかな高層ビルと世界中のブランドショップが目抜き通りに並んでいる大都市です。観光、買い物で訪れる日本人の人気は当時も今も変わりません。しかし、住んでみて見えてきたものは・・・。

 豪邸が並ぶ地域と、トタンと木だけでできている貧民街とのギャップ。学歴のある人は一定の職に就けますが、教育の機会に恵まれない人もたくさんいます。当時は物乞いが当たり前のように街角で座っていて、プラスチックのコップに入れた小銭をチャカチャカ言わせて、「ここにいれろ。」と要求するので、困りました。こういうことを子どもたちにどう説明したらいいのでしょう。叱ると真似はしなくなりましたが。

 また、マナーの違いにも困惑しました。たとえば、「飲茶(ヤムチャ)」。昼食の定番ですから、ものすごい混み方。早くに席をとって、回ってくるワゴンから好きな点心の皿を選び、大皿の麺やチャーハン、おかずは注文します。とにかく大声で喋りながら豪快に食べまくる地元の人々の声と食器の音で大騒音です。混んでくると、席が空くのを待つ人々が私の椅子の後ろに立ち、「はやくおわらんかなぁ」と言わんばかりにながめたり、大きい声をだしたり…。食べ物はおいしいのに、興ざめします。また、中国料理はテーブルクロスを汚せば汚すほど、おいしいとほめた事になるとかで、食べ物をこぼしても全然気にしないばかりか、骨など口から取り出したもの、果物のタネなど平気でテーブルに置きます。テーブルクロスはナプキン代わりなので、グイっとつかんで口周りを拭ったり、トイレから戻った人が濡れた手を拭いています。大きい円卓は相席になるのは当たり前ですが、そういうマナーをうちの子たちも見ているのです。使った食器は次々に代えてくれますが、お茶の茶碗で、かぽっとと口から取り出した入れ歯を洗うおじいちゃんとかと一緒になったら、どうしようもありません。

 子どもは、見て真似をするものです。食事のマナーは家族で食べる度に注意しましたが、善悪の区別や思いやりのあるなしについては、小学校低学年というギャングエイジになっていく息子たちが、目にするものから何を学んでしまうのか、とても心配でした。ティオマン島の1週間程の滞在、シンプルで自然に包まれた生活は、香港での緊張した追い立てられるような生活とは大違いでした。~つづく~

 

14 ほかの人のアイデア

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 今朝は職員皆で、園庭の整備をしました。花壇を耕し、落ち葉を掃除し、雑草を取り除き、藤棚の剪定や樹木の手入れもしました。最近子どもたちが遊んでくれないので、草やダンゴムシがすごい勢いで成長しています。来週みんなの顔を見るのを楽しみにがんばりました。

 3日間、担任からの電話に出ていただき、おうちの様子を聴かせていただいて、安心しました。皆さん、体調管理、生活習慣、運動など気をつけていてくださることがわかりました。ありがとうございました。

 自粛生活を「すこやかにゆたかにひきこもる」として前向きにとらえアイデアを出し合ってきました。

 Sちゃんは、トイレットペーパーを体に巻き付けてミイラになって遊んでいます。毎日1個使うとか。それも「教育費」ですから存分に楽しませてあげてください。

 Nちゃんも、新聞紙でドレスを作って遊ぶそうです。たくさん作ったらファッションショーができそうですね。トトロンルームの体験でやったように、帽子や冠もまたバッグもいいですね。

 お菓子や料理をお母さんと一緒にやっている子もいるそうです。おにいちゃんやおねえちゃんとお留守番ができるようになった子もいます。

 図書館がお休みで、絵本が読めないという声もありました。「教育費」がゆるせば、ネットで古本を買うと安く買えます。おとなが読んでも楽しい絵本が良いと、「世界一受けたい授業」で言っていました。この時期なら、「ガストンの気分を整えるえほん」のシリーズで『おこりたくなったらやってみて!』オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ著・イラスト などお勧めです。このシリーズは家に置きたい絵本です。

 全日本私立幼稚園連合会がこどもがまんなかPROJECTで、「おうちでできる。おうちで楽しめる」コンテンツをアップしています。

https://youchien.com/info/info/mannaka/  から「AT HOME」バナーをクリックしてください。パスワードは mannaka です。つくる、楽しむ、食べる、よむのコーナーがあり、絵本も紹介されています。

 テレビの時間が増えてしまったとお悩みの方はこんな情報で気分をかえることもできます。家族で話し合ってみましょう。おとなは新型コロナウィルスの情報が気になるのでつい長くテレビをつけていますが、それを含めて、かわりに何をするのがいいか、子どもの意見を聞いてみてください。おとなにはスマホやラジオという別の手段がありますね。子どもの生活時間割を見直すこともそろそろやっておきましょう。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第13回)

 真っ暗な海に光が見えてきました。あれがホテル? そうか、ビルディングを想像してはいけない。広い敷地にポツポツと松明のような灯が。ボートは入江に到着、そこから行けとボートの運転士が言っているようです。ここから? ロビーとか通らなくてよいらしい。そこはもうレストランでした。籐で編んだテーブル、椅子が並んでいます。フランスとかイタリアの街並みの写真にあるパティオ風に、海にレストランがせり出しているということでしょうか。

 愛想のよいウェイターがメニューを持ってきて注文をきいてくれました。メニューにはひさしぶりに見る英語がのっている。読める。あまり種類はないが、知っている名前の料理があります。夫が読み上げます。「えっと、これは…スパゲッティ・ミートソース、か~、つぎは…」すかさず子どもたちの声「それがいい!」「それ、それ。」「ミートソース!」というわけで、子どもにはスパゲッティ・ミートソース、大人はハンバーグステーキだったかを注文。みんなもうワクワク、ソワソワしています。久しぶりにキャンドルディナー。テーブルクロスのような布もかかっています。

 そういえば、香港での外食は、ぜいたくでした。日本に比べると格段に安いということもあって、日本人の間でどこの店がうまいか、いつも情報が飛び交い、お客様が来たら、あの店、次はあのホテルの有名な老舗の日本料理屋とか、子どももあちこち週末には連れられて外食をしていました。せっかくだからと、中華料理を食べ歩き、それエビの踊り食いだとか、上海ガニのシーズンが来たとか、知らぬ間にわたしたちも相当なグルメになっていたのでした。そこへきて、この1週間のナシゴレンの日々・・・。

 ついに、食事が、大きな皿が運ばれてきました。子どもたちはもう目からよだれがでるかと思うほどに大きく目を見開いて皿の動きを見つめています。「うわぁ~!」と歓声。お祈りもそこそこに、「いっただっきまーす。」と取り皿にとって一口食べるなり、「おいし~ぃ、世界で一番おいしい。」「うん、さいこう!」「せかいいちのスパゲッティなの?ここ。」と感動。そして、黙々と、ガツガツと、食べる食べる…すごい勢いで食べました。冷たく冷やしたジュースもグラスで飲みました。フルーツもおいしい。ハエも追い払わなくてよいのです。ここは日中も電気があるホテルなのでした。

 「ティオマン島に来てよかったね。」と、帰りのボートで満足げに語る子どもたちを見て、わたしたちのなかの何かが変えられたような気がしました。あれもこれも、たくさんの不自由なこと、空腹や不安も、そして一皿のスパゲッティにこんなに感動したことも、全部必要だったのだ。わたしたち家族には必要だったのだ。これで、何事もなく帰ることさえできれば…と、祈り、感謝し、また夜は更けていきました。~つづく~

 

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13 とおす

 

 

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小さな穴にピックを刺したり、洗濯バサミを紐に通して遊んだりしましたね。

 トトロンルームのお仕事には「通す」ものがたくさんあります。集中力を養います。最終回にはゴムにビーズや切ったストローを通してネックレスを作りました。細いストローにゴムが通せるようになっていましたね。年少児はどんなものを通せるか工夫して家族の首飾りを作りましょう。

 もっと大きい子はこれを発展させて、縫物ができるようになります。初めは毛糸用の針と細い毛糸でガーゼくらいの粗い目の布を縫います。色鉛筆で印をつけてあげると、まず周りを縫ってから対角線にしたり、模様にしたり・・・たのしいです。はじめと終わりの留めはお母さんがやってください。つきっきりでなくても、子どもは結構慎重にけがをしないでやれます。以前の年長児は作品展で雑巾を縫って展示しました。また、百均には、手織りツールが売っていますよ。(下の写真) 時間をかけてコツを習うと、好きな子はどんどん発展させます。指を使って毛糸を編む「指編み」をお母さんに教えてもらってロープを作ってきた年長の子がいて、みんなで習って、長~く園舎の端まで届くほどにしたことがありました。指編みでマフラーくらいは子どもも編めますね。小学生なら、かぎ針編みもすぐに覚えます。オリジナル作品ができあがるのは喜びますね。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第12回)

 ティオマン島」と聞いて、調べられた方もあるかもしれません。30年以上経った今も、「手付かずの自然」と言われていますから、ほんとに素晴らしいところなのです。現在はネットの情報に「おすすめの10のホテル」とかありますが、快適、都会的なホテル滞在を期待しないほうがいいかな。その頃でもペナンやバリのホテルではプールで遊びました。こんなにどっぷり海岸に住み着いたのは初めてでした。バケーション慣れしている欧米の方は、ヤシの木陰で、1日中好きな小説を読んでは、ハンモックで揺れて海を見る…という過ごし方を満喫しているようす。何日、何か月の休みなんでしょう? うらやましい。うちの子どもたちも飽きずに、時を忘れたように、砂で、海岸でのびのびと遊びます。兄弟喧嘩も忘れているようでした。

 砂浜から海に入って行くと、水はどこまでも透明で、大人の靴くらいの大きさのナマコがゴロゴロいるところもありますが、それを捕る人はいません。魚もイカもウニも、漁をして売るという概念ではなく、「必要な時、海からもらっていただこう。」という感覚なのかと思いました。朝、必要な分の漁をしたら、または、産んであるあしながの鶏の卵を拾ったら、あとはゆっくり過ごそうという雰囲気でした。木陰で、または屋根のあるところで、初老の人たちが将棋のようなものを広げていたように記憶しています。自然との共生。自然にしっかり抱かれている。そして感謝している。そういえば、一度も怒った人、声を荒らげる人を見たことがありません。警官やガードマンさえ見ません。犯罪は無いのかも。人々はしあわせなのです。

 今、新型コロナウィルス感染が広がって、すべての生活がストップあるいはスローダウン。私たちは問われています。そんなに必要ですか。それ以上に手に入れなければならないのですか。そんなに急ぐ必要があるのですか。「もっと、もっと...」と望みすぎてはいませんか。望み過ぎてほかの人のことを忘れてはいませんか。

 そして、思い通りにならない時に怒りすぎるようになっていませんか。一番悲しいのは、感染者、ひいては医療従事者に対する差別的な言動です。もう一つ悲しいのは、自粛警察といわれる自粛しない人への過剰な攻撃。自分の怒りや不安をこのような形でぶつけるのは、愛されたことのない人たちなのでしょうか。このパンデミックの一番の恐怖は、ウィルスそのものではなくここにあるかもしれません。思い通りにならないとぎゃぁぎゃぁ泣いていた赤ん坊は、欲しいものを与えられることによってではなく、愛され抱きしめられることでだんだん聞き分けができて成長します。人と共感できるようになります。なんでも思い通りになる環境で育つことがけっして幸せではないと思います。

 この奮闘記を書きながら、ティオマン島に居る間にも人の生き方と文明について考えさせられたことを思い出しています。

 さて、ホテルと呼ばれるところについたところから次回にしましょう。~つづく~

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12 たべる 抵抗力

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昨年のふれあい参観の写真です。お父さん、がんばってくださいました。

 新型コロナウィルスに効くとかいう情報があって、納豆をたくさん食べる人が多くなったようですね。ヨーグルトやチーズも納豆と同じ発酵食品です。腸内の環境を整えて、悪玉菌を減少させる効果が期待されますが、だからと言って大量に食べればよいという物でもありません。どこかの国で、コロナにはキムチが良いと聞いて1.5キロも一度に食べて病院に運ばれた人がいました。

 要は、バランスの取れた食事をすることで、人は抵抗力がつくと覚えましょう。ふだん、子ども向けのメニューが多い家庭では、旬の食材、例えば今なら山菜のゼンマイやフキなど、またキノコや海藻類をほんの少し加えてはどうでしょう。ナッツ類も炒め物やサラダに少し混ぜるとおいしいし、すりつぶしたら使いやすいです。だいたい、匂いのきついものやあくが強いもの、粘りのあるものは、子どもは苦手だろうと思いこんでいますが、栄養や消化、解毒にも良い効果が認められていますね。山芋や長芋もレジスタンス・プロテインといって、成人病予防によいと注目されています。

 食品棚や冷蔵庫に残っているゴマや乾燥ワカメ、粉チーズなどをちょっと食材に加えてみてください。我が家では、サラダを毎日食べますが、ドレッシングは買いません。バルサミコ酢に粉末のナッツ類とオリーブオイルをちゃちゃっとかけたり、おろしタマネギ、生姜、ニンニクなどをベースに醤油か酢・レモンとオリーブオイルで作ります。

 メールで、「献立が考えられなくなって、給食のメニュー表(小学校)を見て作っています。」と知らせてくださったお母さんがあります。小さい子が食べられるように豚キムチにもやしなど加える工夫をして好評だったそうです。ぜひ、柔軟に、子どものアイデアを取り入れて工夫してみてくださいね。食材で「対話」してみてください。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第11回)

 「フェリーはないぞ!」と夫が帰ってきました。不定期に運行されているらしいのです。次、いつ出るかは、わからない、ということ。「来週は出るだろう。」ぐらいのおおらかさなのです。(先日「ティオマン島観光」で検索してみたのですが、やはりフェリーについては、「一応時間表はあるが運行しない場合が多いので、要チェック」とありました。)帰れるの、わたしたち? もし帰国が遅くなるなら、電話ってあるの? 通じるわけないか。もう、祈るしかない。ここにわたしたちが居ることを知っている人は…そう、Mr. Mah だけしかいないでしょ。彼にさえ連絡はつかない。急に世界中から見放されたような気分です。神様、助けてください。わたしたち、ここです。

 「ねぇ、ナシゴレン以外のものってないの?」「そうそう、ほかのものが食べたいよ。」「なんでもいいから。ナシゴレンはもういらない。」子どもたちが3人で抗議の声をあげました。そうだね。わかるよ! いろいろな人に聞きまわって、次に得た情報は、「ホテルが1軒だけある。ボートで行けるらしい。」というものでした。島には小さな空港もあるのですが、(便は十数年前廃止されたそうです。)その近くの海岸沿いにホテルがあるとのこと。「いくぞ! 大丈夫。豪華な食事をしよう。」と、夫はなんとかボートをチャーターしてきました。あたりはすっかり暗くなっていたので、どこをどう通ったのかわからないけど、それらしい明かりが見えてきました。~つづく~

 

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11 かくれがの工夫

今日はお天気がいいので、10時のミサの時間まで、庭の松の剪定をしました。疲れて午後は眠りました。

 考えました。お母さんは、ほんとにつかれているだろうな。子どもも「ひとりでちょっと休みたい」と、思うことがあるだろうな。と。自分のベッドに行ったら「あ、休んでいるんだね。」と家族がわかり、そっとしておいてあげるというルールを作るといいですね。

 そこで、子どもの隠れ家もあるといい。基地を段ボールで作るという案をお話ししましたが、今日はもっと場所を取らない、テント村の提案です。右の写真のように、新聞紙と、ガムテープ、あればラップの芯を補強用に準備します。

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 新聞紙は長い方の辺をあわせたまま、3枚ずつをずらして9枚並べ、くるくると巻いて柱にします。このとき、下のほうを強くしたいので、残してあったラップの芯を巻き込んでおき、テープで留めました。三本では、不安定で失敗。四本にして、上をガムテープで留めてから伸縮性のテープで巻いてできあがり。しっかり固定したい場合は下にゴムをつけるか、床に養生テープなどで貼り付けるといいでしょう。左のようにシーツなどをかけて、入り口は洗濯ばさみで開閉するしかけです。基地にして遊ぶのもよいし、ひとりになって休みたいときはお気に入りのぬいぐるみと一緒にこもることができます。邪魔になるときは、たたんで隅に寄せておくこともできます。

 明日から担任がお電話をかけます。みんなの元気な様子を知りたいです。先生たちもこれからもっとよい保育ができるように、今、勉強をして準備しています。もう少しの間、頑張りましょう。お母さん、無理せず休むのも工夫です。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第10回)

 次の日は、少し散策をしました。ティオマン島は南北39km、東西12kmの島だそうです。当時は突然行きましたから、島がどれほど広いのかもわかりません。とにかく、海岸を歩けば島だからいつか戻ってくるだろう、くらいのいい加減な判断で出発。幸い、きれいな入り江があり、そこの砂浜はほんとうに真っ白。海から打ち寄せられたような植物のゴミひとつさえ落ちていないし、貝殻もない。これ、砂ではないのかな? よく見るとそれは珊瑚の死骸というのか、大きい塊は珊瑚の形をしています。子どもたちは、「これ、コアラみたいかたち。」「わぁ、大きいのがある。」と、珊瑚を見つけて拾いました。それはそれは、美しい島の一部です。この島にあるのは手つかずの自然です。

 「のど、かわいたね。」もう少し行くと小さなお店がありました。日本の田舎の駄菓子屋さんのような感じです。コーラの看板がある。「コーク トゥー」もう、英語がつうじないのはわかっているので、ピースサインの指をあげてそう言うしかありません。ニコニコしたおばあちゃんがさしだしてくれたのは、確かにコカコーラだったのですが、あったかい!そうか、わすれていた。島には昼間電気が無い。つまり冷蔵庫などどこの家にも店にさえ無いのだ。これが島のくらしだったと納得し、その不思議な味の飲み物と、子どもたちはとっても甘そうな柑橘類の絵が付いている紙パックのジュースを分け合いました。「島は広そうだ。」ということで引き返し、夕方までにシャレーに戻りました。

 この夜もまた、おきまりのナシゴレンを食べて、更けていきました。さて、そろそろ帰るフェリーの情報を...と夫は考えていたようです。私は定期便が1日1往復はあるものだと思い込んでいました。 ~つづく~

 

 

 

 

 

 

10 体をうごかす

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昨年5月の年長児、ブリッジに挑戦。卒園までに全員ができるようになりました。

 雨の土曜日。お父さんと一緒におうちの中で体を動かしてみましょう。自粛生活の過ごし方として紹介されていた外国の家庭の動画をみました。家中の部屋の家具、椅子などを利用して、子どもが上ったり飛び降りたり滑り台のようにしたり、ベッドの下も潜りながら、最後はストンとゴールに入るという、人間版のピタゴラスイッチでした。そこまではできないにしても、体を伸ばしたり縮めたりすることは大人にとってもストレッチとしてよい運動、ストレス解消になります。YouTube では、さまざまなストレッチを紹介していますので楽しそうなのを選んで、家族でやってみましょう。

 もっと、簡単な楽しみ方もあります。おしりで文字を書きましょう。両足を肩幅に開いて観客(家族)に背を向けて立ち、おしりを大きく動かして何の文字を書いたか、当ててもらいます。当たった人が次に書きます。書いている方も見ている方も笑います。うまくできたら、2文字以上の言葉にしたり、カタカナやアルファベットも入れられます。知らないうちに、腹斜筋、腹筋が鍛えられてウエスト締まるかも。

 この動画を撮影しておくとまた笑えますね。さらに、人文字もあります。床に寝て体を曲げて「く」を作る、が基本で、家族で協力して文字を作ります。それをデジカメでテーブルの上や脚立の上に上った人が撮影。「もうちょっと、〇〇くんはまるくなれる?」と何度かやり直しOK。「お」の点になるものを探したり、子どもたちは喜んで協力しますし、文字・数字も、知らないうちに覚えることでしょう。時間のある今しかできないことですね。家族っていいですね。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第9回)

 翌日から家族だけの冒険が始まりました。朝ご飯の試練。昨日と同じメニューしかない。「他には?」と聞くと、「ナシゴレン?」というので、OK。あぁ、初めの夜に食べた全く同じあれだった。飲み物もマイロとあのコーヒー。周りの人はなんとなく他のものを食べている気がするのですが、「あれください。」という勇気は無い。

 午前中は洗濯を済ませて、テラスのロープに手で絞った水着やシャツを干しました。つまり、水で砂を流してかけておきました。「とにかく昼飯はどこか他で食べよう。」という夫について、レストラン探しに歩いて行きました。景色はどこまで行っても最高にきれいです。日差しは強烈ですが、空気が澄んでいるせいか何もかもがツヤツヤ、ピカピカ。「あれレストランじゃない?」確かに、バナナの葉っぱを壁にして椰子の葉っぱの屋根。おしゃれな感じ。子どもたちは大はしゃぎ。「やっと他のもの食べられるよ。見て。」壁の上の方には食べ物の写真が。「やったぁ、イカもある。エビや、あれカにだよね。」「こんな海なんだから、海鮮は当然だよ。」と夫は突然自慢げ。次男が、「でもさ、あっち(岸壁)でイカはなんかのえさになってたよ。」じゃ、きっとすごく新鮮なイカが人間用なのだ。よかった!

 写真を指さしながら注文。すると、店員は、「No. No squid.」じゃ、こっちは? それも No.  なんで? じゃ、しょうがない、こっちでいいよ。No.  えっ?魚も無いの? ナニアル? Nasi goreng! オンリー ナシゴレンかぁ。と言うわけででてきたナシゴレン、ちょっとおいしいふうじゃない? と気を取り直して食べ始めると、どこからともなく大群のハエが…。ナニこれ! 全員左手をかざしてヒラヒラ動かし、とにかくハエに止まられない間にと、大急ぎで食べる。なんとかフルーツも注文できたのですが、ハエは治まらず、このとき撮った写真は画面のほとんどがみんなの手。でも、子どもたちは、きゃっきゃっと笑っています。困難の中、夫婦だけなら険悪になるかもしれない状況で、救いは、3人のあどけない子どもたちでした。~つづく~

 

9 英語はうたで

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昨年トトロンルームだった子どもたち。楽器に興味津々。本物はいいね。

 金曜日です。英語の歌の効果についてお話ししましょう。英語は、とにかく歌えば身につきます。トトロンルーム(2歳児)の子どもたちも英語の歌が大好き。歌っていないようでも、体を動かして楽しみます。そして知らないうちに英語のイントネーションが身につき、もっと歌いたくなってます。

 幼児期に大事なのはイントネーションです。英語圏の子どもたちと暮らしてみると、はじめから発音ができるわけではないので、聞こえたとおり言います。日本人の赤ちゃんと同じです。でもイントネーションを正確に教えることはできます。歌があるからです。ぜひ、子どもの英語の歌のCDを1枚買ってあげてください。たくさんの歌をすでに知っているはずです。何度も流しておくだけで英語好きになります。機械の操作も教えて任せてくださいね。

 くれぐれも、聞こえたとおりでよい、のです。決して発音を直したり笑ったりしないで、自由に歌わせてください。メロディーが正しければ、いつか、正しい発音に気づいて直ります。私は、園長になる前4年間くらい幼稚園の英語講師でした。Education Through Music というメソッド、つまりほとんど歌を使って英語のレッスンを毎週海の星で行いました。A Hunting We Will Go という歌があって、

A hunting we will go, A hunting we will go                                          We'll catch a little fox and put him in a box                                                                             and then we’ll let him go 

(ハンティングに行こう、行こう、キツネを捕まえて、そして放してあげよう)と歌いながら、友だちを捕まえ、円の中に入れて、ハンター交代するゲームを楽しみます。あるお母さんが「うちの子、We'll catch a little fox, ブキミナボックスと、ずっと歌っていて、変わった歌だなとおもっていました。」と英語参観のあとで話してくれ、大笑いしました。イントネーションはバッチリ、発音もほぼあっているのでした。

Enjoy English!

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第8回)

 その夜は、バーベキューでした。たくさん釣れたその銀色ツヤツヤのお魚は鯖の仲間のようで、おいしかった~。他に何を焼いたのか、だれに聞いても覚えていません。夫は「ご飯は無かった。」と今、さらっと言います。シャレーの前の海岸での1品だけのバーベキュー。近所に住む猫たちが寄ってきました。満腹なのかどうかわからない体験でした。

 この島には、猫がいました。レストランに行く途中に毎日あう猿がいました。つながれていたので誰かが飼っていたのでしょうが、皮膚病なのか毛が抜けているところがあり、子どもたちが近寄りたがるのは困りました。もし、病気を持っていて感染したら、ここでは病院なんてないよ。ニワトリもいました。脚が異様になが~い。それは、砂浜を歩くためでしょう。そして、木の枝にバサバサッと飛び乗って木の上を巣にしているのでした。驚きの光景でした!

 その夜、マーさんが言いました。「明日わたしは帰ります。あと、ゆっくりたのしんでね。」その一言にどんな意味があるのか、だれも気づかず、ニコニコとおやすみなさいを言いました。 ~つづく~