実りの秋、成長の秋

子育てをともに考えるニュースレター
  2007年 11月号
  て・くむ(te cum: ラテン語「あなたとともに」の意)
                  
              愛された子どもは愛することができるおとなになる   
                    海の星カトリック幼稚園 
                    510−0063四日市市十七軒町2-4
                     TEL59−354−1726                                   園長  神馬  久美
        http://www.cty-net.ne.jp/~umi-hoshi/ 

11月の聖句
ことばは肉体となって、私たちの間にやどられた。 
       〔ヨハネによる福音 1章 14節〕
                                           
 11月の下旬から、キリスト教の暦で「待降節」が始まります。『アドベント』とも言われ、「イエス・キリストの降誕を待つ」という意味です。「ことば」とは神のことです。「始めには『ことば』だけがあった。」と聖書に書かれています。「ことばが肉体となる」ということは、形のない神秘体が、人間の姿となって、私たちの友、兄弟としてこの世に生まれられたという意味です。神様は人間に、おなじ人間となって、「愛する生き方」を示しました。裏切られても、槍で突き抜かれても、血の汗を流すほど苦しんでも、愛することほど尊いことはない、と、身をもって教えました。「あなたはこれほどまでに大切な人ですよ。神様は片時も忘れずあなたのことを思っているよ!」と伝えるために、力のない、貧しい赤ちゃんイエスとして生まれられました。私たちの子どもが生まれた時のように親戚中が喜ぶといった誕生ではありませんでした。しかし、2000年経った今世界中が、男も女も老いも若きも、宗教の違う人までもが、喜び祝う誕生日となりました。さあ、クリスマスの準備が始まります。   

           ♪♪すてきなようちえん♪♪                                               ♪                       (園で見かけたすてきなできごとをご紹介します。)

★ じんばもんば「明日はえんそくだね。」 Rくん「な〜に?」じんばもんば「え・ん・そ・く」 Kくん「これ?(じんばもんばの胸を指差す)」 じんばもんば「あぁ、これは、え・ん・ちょ・う。おしいっ!」
★ 「おいもほり」の大収穫、持ち帰ったひげ根つき、泥つきのいもで話題が広がったようです。お弁当にもサツマイモを入れてくださったおかあさんの心遣いに感謝。その週はトイレに行く子が続出、便通にも効果大でした。
★ くるまコースでお帰りをするすみれさんが、「お残り」をして待っていた弟妹たちが外に出ると、「みんなは、そっち、そっち。」と前方を指差しました。3メートルほど前の地面には線がひいてあり、「いちについて、よーい、どん!」とかけっこで出発。小さい子にはスタートラインを前にしてハンディをつけるなんて、すばらし思い付きです。その思いやりに感動しました。
★ 運動会の練習は終盤特にもりあがり、ばらぐみのBOBONBAの軽快なリズムにあわせて、ゆりさんはトラックの外周にならんで、また、すみれさんは2つも3つも自然に円ができて、一緒に踊り始めていました。
★ 運動会の感激のひとつはたくさんの方が進んで手伝ってくださったことでした。片付けは1時間で完全に終了。また、終了後の会場にはゴミ一つ落ちていなかったマナーのよさ! 


☆ 運動会は、皆様のご協力ですばらしい行事となりました。保護者の皆様の感想文を裏面に追加掲載しています。
☆ 保護者参観日には熱心に保育・活動を見ていただきました。お子様ののびのびした様子にきっと安心されたことでしょう。どのクラスも、いつもどおり先生の指示を良く聞き、一生懸命制作活動などに取り組んでいました。
☆ クリスマス聖劇の後、例年ミニコンサートがあります。楽器演奏、歌などで出演していただける保護者を募集中です。園長までお知らせください。また、クリスマス礼拝の日にはお母様方の聖歌合唱もあるので、練習にも奮って参加してください。
☆ 今年も教会で七五三の祝福があります。どなたでも参加できます。教会の掲示板に名前を書いて申し込んでください。 
                                                                                                         
The biblical phrase of this month
The Word became a human being and, full of grace and
truth, lived among us. (John 1:14)
Advent begins at the end of November. It’s the season to
wait for Christ’s birth. The Word was the same as God,
and before the world was created, the Word already existed,
 the Bible says. God came to this world as our brother or
our friend and taught us the way of loving life. He showed
us the model of loving, being betrayed, speared, suffered
to shed blood and tears. In order to tell us how much God
loves each one of us, he came to this world as a poor,
helpless, little baby. After2000 years though, every one
in the world, even with different cultural background, is
celebrating this child’s birthday. Let’s get ready.

♪♪Sutekina Yochien♪♪
★ Mothers were so nice to cook the sweet potatoes
right after our picnic, Ensoku, and even put them in their
lunch boxes.
★ When little brothers and sisters of Sumire
children were about to line up, someone suggested them to
stand on the line placed about 3 meters ahead of them.
It was the elder ones’ splendid idea to give them better
chance of winning the race by shortening the distance.
★ The children seemed to enjoy their practice of
Undokai at the park, especially watching
Baragumi’s Dance, BOBONBA.
Yuri would line up on the corner, and Sumire would form
many circles to dance together with them.
★ One of the most impressive things about Undokai
is many hard working parents’ help. Cleaning up
only took an hour. Another is witnessing the parents’
good manners. There were no trash left on
the ground after every one went home.

Thank you for coming for our Open House.
Please let us know if you are interested in performing
at the Christmas Concert after our Christmas Play.
Sign up for the Blessing of Becoming age 7,5 and 3 years
old at our church on 11th of November.

運動会感想(感想文集を早く印刷し、一部掲載できませんでした。お詫びいたします。たくさんの感想ありがとうございました。)      

¨ 子供たちが頑張っている姿を見、家族みんなでお弁当を食べ、とても楽しい一時でした。(年少 父)
¨ 先生方、役員さん、お手伝いしてくださった保護者の方、ありがとうございました。お世話になりました。娘も運動会楽しかった、練習も楽しかった、また運動会したい!! と言っています。夫も綱引きで手の皮がむけ、弟も生まれて初めて競技に参加、楽しい思い出になりました。来年は年長、格好いい娘の姿が今から楽しみです。(年中 母)                         
¨ とにかく大はりきりで臨んだ運動会、かけっこの距離も長くなり、カーブもあって、ヨチヨチだった去年とは大違い! たくましく駆けてくるMにこの一年間の成長を感じました。一等にはなれず、本人はとてもがっかりしていましたが、後から“結果よりも頑張ることが大事なのだ”と納得できたようで、精神的にも少し大人になったのかなと嬉しく思いました。おゆうぎも親子競争も活き活きと参加するMの様子を見ることができ、主人にも私も楽しい運動会でした。先生方には本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。 (年中 母)
¨ 運動会が晴天に恵まれ、楽しく行われたことを嬉しく思います。ゆり組さんのかわいらしいおゆうぎ、ばら組さんの元気いっぱいのダンス、そして素晴らしいマーチングを見せてくれたすみれ組さんの1人1人の頑張りとチームワークの良さに感激しました。残暑厳しい中、小さい子供たちが毎日、一生懸命練習をしてきた成果が発揮され、子供の成長を心から喜ばしく思える1日でした。暑い中、熱心にご指導して下さった先生方に感謝、感謝です。感動でいっぱいの運動会をありがとうございました。(年長 母)

★ある日の 『かみさまのおはなし』 
 月曜日の朝は、ばらぐみさんの「かみさまのおはなし」の時間です。今日の聖歌は『小さいおてて』です。そのあとの子どもたちと私のやり取りをここに再現してみました。
  
♫ ちいさい おててを くみあわせ  そうして おいのり いたしましょう  かみさま よいこに してください

さあ、今日の「かみさまのおはなし」は、絵本を読みます。みんな、今ね、「よいこにしてください」って歌ったね。「よい子」ってどんな子かな?   (ちょっと沈黙、考えてるようす。そういえば、あまり使わないことばです。ほんの2,3人が答えました。)

  「かみさまにおいのりするこ。」 「やさしいこ。」

そうだね。では、たとえば、おもちゃを独り占めしてお友達に貸さない子はよい子かな?
 
  「ちがう!」 「あと、いじわるするとだめ。」 (口々に意見が出ます。)

では、この本に出てくる子は、だれがよい子か、よい子じゃないか、考えて聞いてね。
(絵本『そらいろのたね』を読みます。)
  
【ゆうじは、のはらで もけいひこうきを とばしていました。すると、もりの きつねが かけてきて、
 「やあ! ええひこうきやなぁ! ゆうじくん、ぼくに、そのひこうき ちょうだい」(なぜか関西弁。)
 「あげないよ。だって この ひこうきは、ぼくの たからものだもの」とゆうじがいうと、きつねは、
 「ほんなら、ぼくの たからものと、とりかえて」と、ぽけっとから そらいろのたねをひとつ だしました。】

 あらすじ:(もらったそらいろのたねは、ゆうじが蒔いて水をかけると、「そらいろのうち」が「咲き」、少しずつ大きくなってゆきます。ひよこ、ねこ、ぶたなどがこの「すてきなうち」に嬉しそうに入ります。お日さまの光をあびて、水をかけてもらって、ますます大きくなった「そらいろのいえ」にゆうじがはいると、こんどはともだちもやってきて、やがてお城のように大きくなった「そらいろのいえ」には町じゅうの子ども、森中の動物も、「ぼくも、いれて。」「わたしも、いれて。」とやってきて入ります。そこへ、きつねもやってきます。)

【「うわぁ すごい! なんて おっきぃ うちなんやろ!」と めを まるくしました。
「おーい、きつねくん、そらいろのたねから、うちが はえてきたんだよー」みんなが いうと、
「うへー、こりゃ おどろいた!」と、きつねはとびあがり、
「ゆうじくん、ひこうきは かえすわ。 そやで、このおうちも かえしてぇ」と いいました。そして、おおごえで、どなりだしました。
「おーい、このうちは ぼくのうちやからね。だまって はいらんといてぇー。みんな でていっておくれー。」】

(さっきまで、ページを開くたびに大きくなっていく「うち」を見て、「わぁー、すごい!」「また、おっきくなったぁ!」と歓声をあげ、絵の中の動物たちのように、ニコニコうれしそうな表情になって、「ぐりとぐらもきたよ。」「うわぁ、とりもはいった!」などと言っていた子どもたちが、急にシ―ンとします。誰の体もピクリとも動きません。もう一度、きつねが、「みんな でていっておくれぇー。」と叫ぶと、みんなの顔は凍りついたように無表情、ちょうど本の絵の「うち」から出てきた子どもと動物たちの顔にそっくりになっています。)

じゃぁ、みんなに聞いてみます。おうちから出てきたゆうじくんたちはどんな気持ちかな。
  
   「かなしい。」「さびしい。」「つまんない。」「しょんぼりしてる。」
    「・・・きつねさんはいじわるだった。」(次々に意見が出ます。)

あらすじ:(きつねが、おおいばりでうちにはいり、ドアに鍵をかけ、家中走り回って窓も閉めてまわると、そらいろのいえは急にすごい勢いで大きくなり、「おひさまに ぶつかる!」と思ったとき、大きく揺れてこなごなに壊れ散ってしまいます。頭を抱えてうつぶしていたみんなが顔をあげると、そらいろのいえはもうどこにもなく、びっくり仰天して目を回したきつねだけがのびていました。)

 さぁ、だれが、「よい子」だったかな。みんなは だれがすきだった?
 
    「ゆうじくんは、かえっこしてあげた。」「みんなに はいっていいよ っていった。」     「わたしはねこがすき。」「うさぎさん。」
 
そうだね。みんな、よくわかるね。それから、いれてあげない、出て行ってって言われたら、どんな気持ちかよくわかったんだね。」
こんな時は、神様もとっても悲しい気持ちになるだろうね。
   (「そうだよ、かみさまはいつもみてるんでしょ。」と誰かの声。)

(そのとき、Yくんが、はっきりとした声で言いました。)
    「でもさ、きつねさんも、みんながでていったとき、さみしかったんだよ。
      ひとりぼっちで、だれともあそべないもん。」

!!(じんばもんば、感動! Y君の中にいらっしゃる神様の声を聞いたという気がしました。)

そうだね。このとき、きつねさんは「よい子」じゃなかったかもしれないけど、Yくんが言ったように、神様は今「よい子」になれなかった子の悲しい気持ちもちゃんと知っているんだって。みんなもちょっといじわるしちゃう時あるかな。
  (「ある。」「うん。」とうなずく。)

そんな時はさみしい?
  (みんなは、静かにまたうなずく。じんばもんばは その正直さにまた感動する。)

そうだね、神様はそんなとき、「みんなとなかよくしたかったね。」っていっしょに悲しんでいるんだね。どんなに「よい子」でなくなったときでも、神様はその子のことが大好きなの。神様にごめんなさいをしたら、神様はいままでよりももっと喜んでくださるよ。

 こんなふうに、「かみさまのおはなし」は対話で進みます。毎年、ゆりとばら両クラスで同じ日にこのお話を読みます。去年からの成長がはっきりとわかる嬉しい経験です。そういえば、いつかの年のばらぐみでも、「ぼくは、きつねさんがすき。」と言った子がいました。神様は、間違える、失敗する私たちをこのように愛してくださるのだ、と、また子どもたちから教わりました。