梅雨空もふきとばそう

子育てをともに考えるニュースレター

2008年 6月号
て・くむ(te cum: ラテン語「あなたとともに」の意)

               愛された子どもは愛することができるおとなになる
                 海の星カトリック幼稚園 
                   510−0063四日市市十七軒町2-4 
                         Tel.059−354−1726
                   園長  神馬  久美
        http://www.cty-net.ne.jp/~umi-hoshi/ 


6月の聖句
もとめる人には 与えなさい。〔マタイによる福音書  5章 42節〕
                                                              
エス・キリストの前の時代は、「目には目を、歯には歯を。」でしたが、イエスは「右の頬を打たれたら、左も出しなさい。」という画期的な教えを説きました。それは逆にいえば、必要な人には、お返しを期待せず自分の持っているものを喜んで差し出しなさい、と言うことです。先日、伊藤春樹先生は講演の中で、「日本人はお返しを求める。イタリア人はお返しなどすると怒ります。」と話されました。どうして私のためにしてくれるのかと聞くと、「おまえに価値があるからだ。」との答えだそうです。募金をすること、ボランティアとして誰かのために時間を割くこと、あるいは里子を引き取って育てることまで、「与える」ことができる人がいます。
中国四川省の大震災では駆けつけた日本の救助隊が、遺体となって発見された親子に深々と頭をさげる姿に、現地の人々が感動したと伝えられました。与えること、何かをして差し上げることは、相手がかけがえのない存在であることを認めることです。そこに生まれるのが本当の愛だと思います。
 
       ♪♪すてきなようちえん♪♪
                       ♪                       (園で見かけたすてきなできごとをご紹介します。)

★ ゆりぐみのyくんはお迎えが少し遅く、先生と手をつないでお部屋に戻ることになりちょっと泣きそう。ばら組さん数人がそれを見つけて、「アッ、おのこり? じゃ、いっしょにあそぼうか。」ととびきりの笑顔で声を掛けてくれました。「なにする?ミッケでもしようか!」と、大好きな「ミッケ」の本を見せてくれるnくん。ばらさんがどんどんお部屋から出てきて、yくんの手をとって、「ほらほら、いぬはここ!」と教えてくれていました。
★ 「たいへん、たいへん!」とすみれさんが走ってきました。毛虫がたくさんいるというのです。さては、あの「おこぜ」か?!「緑色の毛虫?」と聞くと違うとのこと。「何色?」との問いにKくんははっきりと答えてくれました。「トラいろ!!」 見に行くと、黒と黄色の模様にいかつい毛がある巨大な毛虫、なるほどまさしく「トラ色」でした。
★ 「おかあさんがきてほしい〜!」と泣いている子に、ひとりのゆりさんが声をかけました。「あのね、なかんやったら、おかあさんはくるんやに。」
★ 卒園生がよく遊びに来てくれます。1年生が自転車でやって来たり、2年から5年生まで2、3人ずつで来てちょっと遊んでいったり、先生におやつを分けてくれたりしました。Sちゃんは発表のための取材でした。何の発表か聞くと、「私の町自慢」とのこと。幼稚園が自慢できるって、すてき!!
★久保田先生がもってきてくれた、「お庭になったちっちゃいさくらんぼ」をみんなで、いただきました。宝石みたいにピカピカでした。「ママに。」と持って帰る子もいました。
★園で育てた赤いソラマメをすみれさんがちぎってくれました。ばらさんも翌日ソラマメむきに挑戦。その次の日、赤いソラマメと緑のソラマメをみんなで食べました。


☆     春の親子遠足と保護者のための講演会へのご参加、感謝致します。講演会の内容の概略を載せました。
☆ マリア祭はお天気に恵まれ、子ども達の捧げるお花が一段と映えました。後で子ども達が、「おかあさんのうた(聖歌「水のこころ」のコーラス)すごくきれいだったね。」と言っていたそうです。ありがとうございました。
☆ マリア祭のプレゼントは「陶皿の壁掛け」とお伝えしましたが、業者の間違いで聖母子の絵が入った写真立てが包装されていました。お詫びいたします。
☆ 別紙でご案内しましたとおり、6月から自転車の通行などのルールが改正されます。自転車をご利用の方も自動車の方も、十分ご注意ください。ヘルメットを着用の場合、制帽子は不要です。
☆ 5月号 て・くむの中で茂木健一郎氏のお名前を間違えていました。訂正してお詫びします。

5月23日 保護者のための講演会
「こんなへんな男はこうして育てられた」          伊藤春樹先生のお話
私は40歳近くになるまで大学にいて、その後ソーシャルワーカーとして働いたのですが医学の知識が必要だと考え、入試がないという理由でイタリアの大学に入りました。国家試験を通り、精神科医としてペルージャの町で20年間診療をしたとき、イタリア人の患者のあいだで私の所に来ると心の病がよくなるという評判が立ちました。しかし帰国してわかったのは、イタリア語が下手な私のために、彼らが何とか分かりやすいように分析しながら自分の症状を説明してくれているうちに、自分で回復に向かったのだと言うことです。人はひとりひとり独特な存在ですから、他人が理解しようとしても理解しきれないのです。日本人は、相手の思っていることを察するのがよいとしていますが、ヨーロッパでは思っていることは全部言う。表現する力が重要とされ、逆に言われないことはしないのです。イタリア人は人のために何かする時、その人に価値があるからする、と言います。
子育てをしていると変化がない仕事なので、価値がないと思ってしまいます。思い通りの子どもになってほしい、思い通りの夫が欲しいと思うものです。しかし、もともと自分とは違う存在、違う考え方であることを認め、自分のあやふやさも認めたほうがよい。「よい子」を求めるのは間違いです。失敗がないと向上もしないのですから、間違いをゆるす寛容さが必要です。
 子育てで大切なのは継続性。子どもに身につけて欲しい本当の能力とは、一見くだらないと思う事を毎日続けられる、努力できる、ということでしょう。親が、小さいうちから専門性のあることを押し付けるのではなく、子どもが興味を持つことを見つけさせるとよいでしょう。そして嫌になった時にも続ける訓練は必要です。忍耐のないところには何も生まれない。よい環境を整えてやって、教えるよりもむしろ子どもが自分から気付くように仕向けてください。期待されていると感じさせてください。押し付けはダメです。親として、自分が一番よいと思う愛情を与えつづける努力をしてください。その結果は親の責任と思う必要はない。イタリアの新しい考え方として、家族のもっている力をもっと使うようにという動きがあります。

 お話の後でどんどん質問の手が挙がるほど、興味深いお話でした。「押し付け」という言葉にはっとした。がんばるぞという気持ちになった。などの感想もたくさん寄せていただきました。「それぞれの個性が大切。信じて努力を続けよう。」というカトリックのご家庭でお育ちになった先生らしい信念と温かさを感じました。
                            
『海の星』のたのしいえいご
 
年少ゆりぐみの英語は水曜日。ついこの間、並んで歩く練習を始めたばかりですが、先生のピアノに合わせておゆうぎ室にじょうずに並んで入り、円を作ることができます。
 Hello, Jimbamomba! のごあいさつにはじまり、
Clap, let’s clap! Clap, clap, clap…
Walking, walking, walking…
と、大きく動作をつけながら、英語の歌を歌います。
 Sit down. の指示ですわって、文字カードを見て音と単語を発音していきます。

 年中ばらぐみは、たくさんの英語あそびができるようになりました。最近はまっているのは、Looby Loo. 数種の果物や色に分かれて、自分の番にスキップして周り、All on the Saturday night のフレーズで元の場所に戻るのです。一文字ずつ歌わずに拍手に変えていくBINGO もだいすきでした。
 Two Little Black Birds はchant とよばれる、手遊びです。リズムにあわせて、英語の文の強弱、抑揚などが身につきます。カードを使って、今年は動詞もたくさん覚えています。
 
 すみれぐみはマフェ先生の担当です。CDをつかって、流れるように進められます。
 The Hello Song
Head, Shoulders, Knees, and Toes
If You’re Happy and You Know It
Old McDonald Had A Farm など、たくさんの歌をグループで動作を変えるなどして楽しんでいます。
The Very Hungry Caterpillar (はらぺこあおむし)の絵本も英語で読んでいます。

おかあさんの英語サークルは少しずつ参加者が増えてきました。子どもと話す言葉、「さぁ、おかたづけしましょう。」Let’s clean up. 「どこが痛いの?」Where does it hurt?
など日頃役立つ表現の練習、また、じんましんskin rash 予防接種vaccination など知っていると役に立ちそうなの病気の名前なども習います。
始まる前に、じんばもんばのストーリータイム、「かみさまのおはなし」の紙芝居が上演(!)されます

 ちょっとかなしいものがたり 
『わたしは ちゅん』
 ある朝、私は赤いすべりだいの前で気を失っていたらしいの。
「スズメが死んでる!」と思って火バサミを持って来ためがねを掛けたおばさんが「きゃっ!」と叫んだのは、私の足がピクピクって動いたからなんだって。その人は慌てて小さな箱を持ってきて、おもちゃのスコップでそおっと私をすくってフカフカのタオルの上に寝かせてくれたの。水色の帽子を被った子たちが心配そうに見ていたのよ。やっとうつぶせになる事ができて、ひと安心。
 にぎやかな子ども達の声が聞こえて、また静かになり、気が付くと、「さよなら、みなさま〜」と歌が聞こえたの。もしかしたら、私もまたお母さんのところに帰れるかも知れない。勇気を出して箱のふちに上ってみたの。何回かやってみると、あーっ、みごとに失敗。コロコロと転がってまた砂の上。今度は、だれも見つけてくれないかな。ラッキーなことに茶色い長い髪の女の人が「もっと、大きい箱にしたほうがいいですよね。」と言ってまたタオルをしいて、寝かせてくれたのよ。私をじっと見て、「脇にけがしてる。」って。
こんどは「歩きコース」とかいう子ども達がワイワイ言いながらもどってみにきてくれたよ。とっても心配してくれたの。それから、私はもう一回脱出を試みて、また、おなじ砂の上であおむけになっちゃった。
 こんどはダメージが大きかった。めがねの人や、髪の短めの人たちがたくさん寄って来て、もうひとりの髪の長いふっくらした人が、「がんばれ、ちゅん!」と、なんども呼んでくれたの。みんなで「えさは?」「のりかな?」「えっ?」「だって、したきりすずめで・・・」などといっていた。もう一度箱にいれてもらって、しばらくすると、茶色の髪の人が小さな白いスプーンに入れたおいしいものを「はい、くちあいて!」と言って飲ませてくれたの。どうも自分のお昼ご飯をつぶしたものらしい。でもね、わたしはもう満足だった。だんだん、声も出なくなった。もうひとりのめがねの人と、髪の短い二人も私をじっと見てくれていた。ふっくらの人が「ちゅん、ちゅん!」とまたなんども呼んでくれた。人間をこんなに近くで見たのははじめてだった。
「アーメン」という声の中で、私は天国に、ほんとに、飛び立った。
                                           
     

おすすめの一冊
  おすすめの一冊
 『子どもが育つ魔法の言葉』  PHP文庫  
ドロシー・ロー・ノルト/レイチェル・ハリス著 石井千春訳 
 マリア祭のあと神父様が話された本の日本語版,2003年に訳されています。具体的な子どもへの対応の仕方の例が満載です。

                                           
 The biblical phrase of this month—
Give to anyone who asks you. (Matthew 5:42)

Jesus dramatically changed the old rule of “An eye for an
eye, and a tooth for a tooth”. He told us not to revenge.
In other words, we should not expect others’ return for
what we do. Prof. Ito said that an Italian would refuse
any return, saying that he did it for you because you are
worthy. Some give money for the needed, another work as
volunteers, the others even devote themselves so much to
bringing up the orphans.
They say Chinese were much impressed to see the
members of the Japanese rescue team vowed and prayed
sincerely for the dead found under the grabbles after
the massive earthquake.
We give, because we appreciate the others. And it is love.

  ♪♪Sutekina Yochien♪♪
★ As y-kun came back to his class to wait some more
minutes for his father, some Bara children found him and
said with big smile, “Are you staying? Good! We can play
together? What do you want to play?” N-kun brought his
favorite picture book and showed it to him. Others came to
sit around and tried hard to make him enjoy the book.
★ Some Sumire children came running, shouting that
they found hairy caterpillars. I asked them what color
they were, and K-kun was so quick to say, “The tiger color!”
Sure enough, the stout ones were yellow and black with
such spiky hair.
★ As one girl was crying, saying she wants her mother
to pick her up soon. I overheard one of her classmate said
to her gently, “She’ll come, if you stop crying, you know?”
Just To Remind You

☆Thank you for singing at Maria-Sai. I hear your children
praised your singing after coming back to their rooms.
Sorry the presents, came all wrapped, were not the ones we
ordered. We hope you will enjoy “Fureai-sankan” and
“Kondankai” your class gathering.
☆ Be sure to check some new rules of riding bicycles
and cars in Japan. If your child put on a helmet, don’t
worry about the school hat.