7 広げるくふう

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ここはどこでしょう? ナザレのおうちです。今日、理事長のエドムンド神父様、ヴィクター神父様に来ていただいて職員参加でおうちの祝福をしていただきました。5月13日はちょうどファティマの聖マリアの祝日です。マリア様、聖家族に守られ、このおうちでたくさんの子どもとあたたかい家庭が育ちますように。

 子どもは、じっくり見ます。おとなが気づかない部分も見ています。そんな子どもの感覚を受けとめ、さらに広げてあげる工夫をしましょう。例えば、毎日植物を育てている子は長さをはかるうちに、何か気づいていることがあるはずです。聞き出して誉めましょう。「葉っぱの色(変化していくのを)よく気づいたね。」絵の具で色を混ぜながら、変化をあらわしてみます。変化ではなくても、細部までよく見て写生するのもいいです。「すごい。このお花生きてるみたいよ。」と具体的に誉めましょう。窓から見る景色や、お母さんの顔を見て描くのも兄弟でやると、楽しいです。

 気に入ったこと、その日楽しかったこと、驚いたこと、おいしいもの…記録というよりもその時の感動を広げる。お話をしながら絵に表すとなかなかおもしろいことが起こります。線でくねくね、しゃしゃっと描くだけでも心がスッキリします。おとなも一緒に試してみてください。音楽に合わせて自由に描いていくマッピングというのもあります。心理状態が表れるので「なるほど~。」と、夫婦で鑑賞して笑い合ってください。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第6回)

 このフェリー、何時間乗るのかしら。あら、雲行きが…熱帯特有のあれ? スコールが来るのかしら? 波はけっこう高い。船底をゴンゴンと打ってきます。「おかあさん、きもちわるい~。」ありゃ、始まった? 船酔いですか。「ぼくも。」「わたしも。」みるみる三人の顔が青ざめてきました。「そうか、じゃ、外に出よう。」と夫。実は私も、平気ではありません。投げ出されないようにしっかり船べりにつかまって移動するが、もう遅い。この時撮った写真の顔は、みんな歪んでいて、「くるしいしゃしん」と我が家で長く呼ばれました。

 やっと島、ティオマン島に着いたものの、しばらくはどこをどう歩いたのやら。マーさんが釣りをするときに使っている格安のロッジがあるから、そこなら予約なしでも泊まれるはずと言います。マーさんの言う事なら大丈夫。5人で1軒。シャレーと呼ばれる小屋が海岸にずらっと並んでいます。見渡せば、おー! なんと美しいビーチ。真っ白の砂浜にヤシの木。金色に輝いて海に沈む夕日。これぞ地上の楽園か? 

 シャレ―とは、窓もあいたまま、ドアもない風通しのよい小屋でした。テラスがあって、入ると2段ベッドが二つ。とはいえウレタン(スポンジとしか思えませんが)にチェックの布がかぶせてあるマットだけ。「エアコンは無いけど、夜通しブリーズ(そよ風)が入るからね。夕食でまた。」とマーさんは隣のシャレ―へ。ここの人たち、おなかに何もかけずに寝るんだね。

 「おい、そう(次男の名前)、トイレがすごいぞ。」と長男の声がしました。奥のトイレのドアを開けている。水洗? たしかに、水洗にはちがいないが、自然の水がずっと流れっぱなしの石の水路なのでした。

 「あら、だれか電気つけた? スイッチどこ?」「いや、自然についたよ。」それもそのはず、島には電気が無く、夜の何時間かだけ自家発電していると後で知りました。夕食はシャレ―群の端にあるレストラン、というか日本で言う海の家。ナシゴレン(焼きめしの目玉焼きのせ、厚切りのキュウリ2枚つき)をいただいて、はじめての夜が更けていきました。闇がおりると、すること、見る物はないので、寝るだけ。波の音がなんと平和でしょう。ヤモリの鳴く声もします。幸い蚊はいません。シャワーはもちろん水だけですが汗をかくほど暑くもありません。明日はきっと、いい日になるよ。きっと…。 ~つづく~

 *下の写真、昨日紹介したお仕事の基本。うちにあるもので作ってみました

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