8 くらべる

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我が家近く、幼稚園で行く芋ほり畑のあたりから見た山。緑の濃淡が分かりますか。下の方は麦の穂と茎の色が縞になっています。手前の山は福王山。高さは500メートル弱。裾野は広葉樹林が広がっているので、様々な若葉の緑がきれいです。白く見えるのはおそらく栗の木で、花が今満開です。出勤時、7時半頃でしたが、あと1時間早ければ、もっときれいだったことでしょう。

 「どっちがおおきい?」と思った時「はかる」ことをお手伝い隊にお願いしました。手元にものさしなどない時に長さをくらべるなら、紐(ひも)が使えることを教えましょう。ケーキや羊羹などを等分するときも、紐を全体の長さにあてて、紐だけ二つ折り、三つ折り…にして印をつけると、正確に同じ長さで切ることができます。これ、生活の知恵。

 また「あて」という方法。人差し指と親指を広げて、何センチかを知っておくと、尺取虫のようにして測ることことができますね。私は右手の親指と小指を広げた長さがちょうど20㎝なので、家具を測るとき2、4、6、…90㎝ぐらいね、と「あて」が役立ちます。

 小さな子にはまず、同じ形のものを大きい順に並べるなどの遊びをたくさんさせましょう。同じ形のガラスコップやビンがあれば、水を入れ、水の多い順にならべて楽器のように音を楽しむことができます。正確な音程になるように、楽器と合わせて聴き比べてみるのも、すばらしい学習です。「音痴」という人はいないと私は信じていますが、幼い敏感期の時に、よい音楽に触れ、聞いた音とおなじ高さの声をだせるようになっていることは大きな自信につながります。

 最近お天気がよいですが、雨の日にしてほしい観察があります。平べったい容器、細長いコップ、丸いグラスなど、様々なかたちの容器を雨の中に並べます。どこに一番高く雨水がたまるか、当てっこしてみてください。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第7回)

 なんという美しい夜明けでしょう。コタキナバルのリゾートホテルには行けなかったけど、ここは手付かずの自然がいっぱい。(自然だけしかない!とも言う。) 楽しむぞ!

 朝ごはんを食べに例の海の家へ。欧米からの旅人もちらほらいます。観光というより自然を求めてきた人たちね。手振り身振りで注文? あ、英語は通じないんだ。コーヒーとして出てきたのはガラスのコップの下の方に白いものが溜まっていて、上のほうに茶色の液体。湯気がでているのでホットです。白はなんとコンデンスミルク。イチゴにかけるあの甘~いトロトロです。コーヒーもひいた豆の粉にザァーっと熱湯をかけたようで、粒々が沈むのを待って飲む、というものでした。子どもには、「マイロどう?」と聞かれたので、キッチンを見渡すと、缶にMILOの文字。「つよいこの、ミ、ロ!」とコマーシャルをしていた麦芽飲料だったかな?それがいい、と注文して出てきた飲み物にはまたあの白いものが沈んでいます。甘いもの好きなんでしょうね。10㎝角くらいのトーストはけっこうカリカリ。おかずらしいものは目玉焼き。

 「今日は魚釣りしましょう。」とマーさん。ボートを船頭付きで借りてくれて、準備は万端。よし、出番が来たと、シュノーケル、足ひれ、子どもたちが腕に着ける「ヘルパー」、水着に日焼け止めのTシャツ・・・スイミングキャップは不要だったね。あのおしゃれな麦わら帽子はいつ被るの?邪魔になってきた。夫は自前の新しい釣り竿を何本か用意してウキウキしています。

 今日はお天気もいいし、船酔いは大丈夫そうね。順調に出発。「ここがいい。」とボートを停めた所は小さな入江の岩場です。せっかちな夫が先に飛び込む。「うわぁ、すごいぞ。」シュノーケルを口から外して来い、来いと手招き。子どもたちも怖がらずにつぎつぎ飛び込んだので、では私も。水はどこまでも澄んでいます。こんなきれいな海ははじめてです。海藻がゆらゆら岩に揺れ、小さいカラフルな魚たちがいっぱい。やっぱり来てよかった。楽園なのだね。下を見ていると体が浮いているのですが、顔を上げて垂直になると、沈まないか心配になります。シュノーケルははじめてではないのですが、足が着くような深さの海しか知りません。その頃、泳ぐこともできなかった私でした。「立ち泳ぎすりゃいいよ。」と言われても…。

 しばらくして、釣りを試みていた夫の釣り竿が弾みでボートから落ちました。すると、深い透明の海にスーっと吸い込まれる。「ありゃぁ、だめだ。30メートルはあるよね、あきらめよう。」と言っています。30メートル? そんなに深いの? もし、ここで私がおぼれたら、もしシュノーケルに入ってきた水をうまく抜けなかったら、もし足が突然つったら…と思うと海の底が永遠に深い暗闇に見えます。ここでは死ねないよ。沈んだら助けてもらえない。「あきらめよう。」ってみんな帰っちゃうかも。「なんで、誰も知らないような海に行ってたのだろうね。」と、人は言うだろう。・・・急に怖くなってボートにあがった私でした。それにくらべると子どもたちは勇気があります。潜っては浮き、キャァキャァと楽しんでいます。ここは楽園…なのだね。

 「痛いっ!」クラゲに刺されたのは夫でした。それで、遊びは終了し、サンドイッチのようなマーさんが調達してくれたランチを食べて、午後は「釣り」。それもボートに取り付けた大きなリールのワイヤーのいくつも並んだ針に餌をしかけ、沖合を走らせるボートで豪快に引き上げるのです。わたしたちは男性たちが手を真っ赤にしながらワイヤーを引くのを、眺めていました。どこまでも続く海。銀色に飛び跳ねる魚。~つづく~

 

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