16 えいごのおみくじ

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 幼稚園ではカトリックなのに「おみくじ」があります。給食が終わった子が「おみくじやってもいいですか?」と、待ちきれないといわんばかりにはじめ、数人で輪になって遊びます。これは英語の質問をして答える、園長オリジナル、製作費ゼロの遊びです。おうちでもこれを置いておけば、「さぁ、英語を話すよ。」と構えなくても家族で質問・答えを自然に口に出して言えるようになります。拡大すると次の写真です。

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 材料は、食べきったポテトチップスの筒と、中に入れるおみくじ用のストロー6本だけ。ストローにはマジックインクでA B C…と一本に一文字書きます。筒の外にはA~Fまでの質問を書いた紙を貼ります。そして、蓋にちょうど1本のストローが出てくるくらいの穴をカッターで開けます。

 写真の一番左のは、ゆり組に置いてあるもので、質問の英語文と、答えに困らないように例となりそうな答えの写真が付けてあります。右から2番目の筒と質問は全く同じですが、右のはすみれ組用なので、自分で考えて答えます。

 その質問とは A. What fruit do you like?   B. What color do you like? C. What food~ D. What animal~ E. What flower~  F. What vegetable~  と好きなものを尋ねる文です。答えとなる単語はだいたい英語のレッスンで習っているので、ぜひ日常で使って欲しいわけです。そしてほんとうに毎日英語を使うようになりました。

 昨年、ばら組さんは英語が特別大好きで「おみくじ」に夢中。それで、園長は次々とあたらしい「おみくじ」を考えました。黄色のおみくじは Do you have~? と兄弟やペットを尋ねます。赤い筒は Can you swim?  Can you fly?  Can you count to ten?  などの5文です。ちいさい茶筒で作ったのは、How を使って、お天気や数を尋ねる5文。もし、同じ質問文で作りたいと思う方は、データを送って差し上げますので、メールでお知らせください。アルファベットも覚えさせたいのでA~Fのおみくじにしましたが、次の筒はG~Lとか、増やしてもいいですね。

 カラカラっと子どもが筒を振って、出てきたストローの文字と同じ質問を、お母さんが読んであげてください。答えられたら、同じ質問を今度は子どもがお母さんに聞きます。両方が答えたら、握手して Thank you! にこっ!です。ぜひお試しください。

下の写真はDays of the week  今日は青虫くんをFRIDAY に置かないと子どもたちに指摘されますね。

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そ・れ・で・も奮闘記(第15回)

 香港での子育ての苦労もお話しします。 「せっかくの海外生活なんだから」と、わたしたち家族は現地の人々や外国から来ている人々との出会いを楽しもうとしました。近くで英語のミサのある教会に行ってたくさんの友だちができました。子どもたちも自然に溶け込んでのびのびしていました。下の二人の子ども(4歳、2歳)はWoodland Playschool というイギリス系の幼稚園に入ると、どのようにしたのか分かりませんが、すぐにイギリス人やらインド人の友だちを作って家に帰ってからも一緒に遊んだりしていました。他方、小学生になっていた長男は日本人学校という「しばり」が結構たいへんでした。

 子どもは、父親の立場によって見えないランク付けをされていました。「○○くんね、~銀行の支店長さんちの。」と、クラスの子全員の背景が筒抜けなわけです。私の夫の香港支店もかなり大きかったので、奥様だけのお茶会が毎月高級ホテルなどで開かれ20数名が集まりました。その時は上司の奥様よりも高い服を着ないように(私はその心配はなかった!)、バッグも靴も同じものにならないように、など、くだらない気を使うのです。学校の参観日も推して知るべしです。エリート意識高すぎるのでしょう。今はこんな事はもうないと思います。

 事件が起こりました。バギオというその地区にはフラット(マンション)が8棟くらいあり、日本人家族が数十組はいたと思います。海が見える静かな場所で、フラットに囲まれた真ん中はプール、公園とテニスコート数面があり、山側にあるわたしたちのフラットは20階建てで、2階は駐車場、地上階がPark 'n Shop というスーパーでした。香港の子どもはほとんど外では遊びませんから、アスファルトを敷き詰めて遊具もないその公園やプールで遊ぶのは欧米人か日本人です。日本人の小学生の「悪ガキ」たちは、お母さんたちがどこかの家で「お茶」をして、手に入れたブランドものの食器を自慢している間に、スーパーに「遊びに」行くことを覚えたらしいのです。「〇〇くんが、ジュースの値札を付け替えていた」など、悪質ないたずらをしていると長男(2年生)から聞いてある日そっと見に行くと、やはり万引きまがいのことをしている子どもたちがいました。しかも、リーダーとなっているのは4年生の、夫の上司の息子だ! そばに居たうちの子も一緒に、私は全員を店の外に連れ出して、きつく叱りました。

 しばらくすると、そこの奥様から怒りの電話がかかってきました。「うちの子は何もしていないのに...」というえらいケンマク。「あなたはうちの主人の部下の妻でしょ。」といわんばかりのただの怒りの爆発でした。こんな人がいるのだ、こんな母親が。夜、帰宅した夫に話すと、「気にしなくていいよ。」と言ってくれたので、ただただ、「あの上司が一日も早く転勤になりますように。」と祈っていました。神様ごめんなさい。~つづく~