8 くらべる

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我が家近く、幼稚園で行く芋ほり畑のあたりから見た山。緑の濃淡が分かりますか。下の方は麦の穂と茎の色が縞になっています。手前の山は福王山。高さは500メートル弱。裾野は広葉樹林が広がっているので、様々な若葉の緑がきれいです。白く見えるのはおそらく栗の木で、花が今満開です。出勤時、7時半頃でしたが、あと1時間早ければ、もっときれいだったことでしょう。

 「どっちがおおきい?」と思った時「はかる」ことをお手伝い隊にお願いしました。手元にものさしなどない時に長さをくらべるなら、紐(ひも)が使えることを教えましょう。ケーキや羊羹などを等分するときも、紐を全体の長さにあてて、紐だけ二つ折り、三つ折り…にして印をつけると、正確に同じ長さで切ることができます。これ、生活の知恵。

 また「あて」という方法。人差し指と親指を広げて、何センチかを知っておくと、尺取虫のようにして測ることことができますね。私は右手の親指と小指を広げた長さがちょうど20㎝なので、家具を測るとき2、4、6、…90㎝ぐらいね、と「あて」が役立ちます。

 小さな子にはまず、同じ形のものを大きい順に並べるなどの遊びをたくさんさせましょう。同じ形のガラスコップやビンがあれば、水を入れ、水の多い順にならべて楽器のように音を楽しむことができます。正確な音程になるように、楽器と合わせて聴き比べてみるのも、すばらしい学習です。「音痴」という人はいないと私は信じていますが、幼い敏感期の時に、よい音楽に触れ、聞いた音とおなじ高さの声をだせるようになっていることは大きな自信につながります。

 最近お天気がよいですが、雨の日にしてほしい観察があります。平べったい容器、細長いコップ、丸いグラスなど、様々なかたちの容器を雨の中に並べます。どこに一番高く雨水がたまるか、当てっこしてみてください。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第7回)

 なんという美しい夜明けでしょう。コタキナバルのリゾートホテルには行けなかったけど、ここは手付かずの自然がいっぱい。(自然だけしかない!とも言う。) 楽しむぞ!

 朝ごはんを食べに例の海の家へ。欧米からの旅人もちらほらいます。観光というより自然を求めてきた人たちね。手振り身振りで注文? あ、英語は通じないんだ。コーヒーとして出てきたのはガラスのコップの下の方に白いものが溜まっていて、上のほうに茶色の液体。湯気がでているのでホットです。白はなんとコンデンスミルク。イチゴにかけるあの甘~いトロトロです。コーヒーもひいた豆の粉にザァーっと熱湯をかけたようで、粒々が沈むのを待って飲む、というものでした。子どもには、「マイロどう?」と聞かれたので、キッチンを見渡すと、缶にMILOの文字。「つよいこの、ミ、ロ!」とコマーシャルをしていた麦芽飲料だったかな?それがいい、と注文して出てきた飲み物にはまたあの白いものが沈んでいます。甘いもの好きなんでしょうね。10㎝角くらいのトーストはけっこうカリカリ。おかずらしいものは目玉焼き。

 「今日は魚釣りしましょう。」とマーさん。ボートを船頭付きで借りてくれて、準備は万端。よし、出番が来たと、シュノーケル、足ひれ、子どもたちが腕に着ける「ヘルパー」、水着に日焼け止めのTシャツ・・・スイミングキャップは不要だったね。あのおしゃれな麦わら帽子はいつ被るの?邪魔になってきた。夫は自前の新しい釣り竿を何本か用意してウキウキしています。

 今日はお天気もいいし、船酔いは大丈夫そうね。順調に出発。「ここがいい。」とボートを停めた所は小さな入江の岩場です。せっかちな夫が先に飛び込む。「うわぁ、すごいぞ。」シュノーケルを口から外して来い、来いと手招き。子どもたちも怖がらずにつぎつぎ飛び込んだので、では私も。水はどこまでも澄んでいます。こんなきれいな海ははじめてです。海藻がゆらゆら岩に揺れ、小さいカラフルな魚たちがいっぱい。やっぱり来てよかった。楽園なのだね。下を見ていると体が浮いているのですが、顔を上げて垂直になると、沈まないか心配になります。シュノーケルははじめてではないのですが、足が着くような深さの海しか知りません。その頃、泳ぐこともできなかった私でした。「立ち泳ぎすりゃいいよ。」と言われても…。

 しばらくして、釣りを試みていた夫の釣り竿が弾みでボートから落ちました。すると、深い透明の海にスーっと吸い込まれる。「ありゃぁ、だめだ。30メートルはあるよね、あきらめよう。」と言っています。30メートル? そんなに深いの? もし、ここで私がおぼれたら、もしシュノーケルに入ってきた水をうまく抜けなかったら、もし足が突然つったら…と思うと海の底が永遠に深い暗闇に見えます。ここでは死ねないよ。沈んだら助けてもらえない。「あきらめよう。」ってみんな帰っちゃうかも。「なんで、誰も知らないような海に行ってたのだろうね。」と、人は言うだろう。・・・急に怖くなってボートにあがった私でした。それにくらべると子どもたちは勇気があります。潜っては浮き、キャァキャァと楽しんでいます。ここは楽園…なのだね。

 「痛いっ!」クラゲに刺されたのは夫でした。それで、遊びは終了し、サンドイッチのようなマーさんが調達してくれたランチを食べて、午後は「釣り」。それもボートに取り付けた大きなリールのワイヤーのいくつも並んだ針に餌をしかけ、沖合を走らせるボートで豪快に引き上げるのです。わたしたちは男性たちが手を真っ赤にしながらワイヤーを引くのを、眺めていました。どこまでも続く海。銀色に飛び跳ねる魚。~つづく~

 

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7 広げるくふう

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ここはどこでしょう? ナザレのおうちです。今日、理事長のエドムンド神父様、ヴィクター神父様に来ていただいて職員参加でおうちの祝福をしていただきました。5月13日はちょうどファティマの聖マリアの祝日です。マリア様、聖家族に守られ、このおうちでたくさんの子どもとあたたかい家庭が育ちますように。

 子どもは、じっくり見ます。おとなが気づかない部分も見ています。そんな子どもの感覚を受けとめ、さらに広げてあげる工夫をしましょう。例えば、毎日植物を育てている子は長さをはかるうちに、何か気づいていることがあるはずです。聞き出して誉めましょう。「葉っぱの色(変化していくのを)よく気づいたね。」絵の具で色を混ぜながら、変化をあらわしてみます。変化ではなくても、細部までよく見て写生するのもいいです。「すごい。このお花生きてるみたいよ。」と具体的に誉めましょう。窓から見る景色や、お母さんの顔を見て描くのも兄弟でやると、楽しいです。

 気に入ったこと、その日楽しかったこと、驚いたこと、おいしいもの…記録というよりもその時の感動を広げる。お話をしながら絵に表すとなかなかおもしろいことが起こります。線でくねくね、しゃしゃっと描くだけでも心がスッキリします。おとなも一緒に試してみてください。音楽に合わせて自由に描いていくマッピングというのもあります。心理状態が表れるので「なるほど~。」と、夫婦で鑑賞して笑い合ってください。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第6回)

 このフェリー、何時間乗るのかしら。あら、雲行きが…熱帯特有のあれ? スコールが来るのかしら? 波はけっこう高い。船底をゴンゴンと打ってきます。「おかあさん、きもちわるい~。」ありゃ、始まった? 船酔いですか。「ぼくも。」「わたしも。」みるみる三人の顔が青ざめてきました。「そうか、じゃ、外に出よう。」と夫。実は私も、平気ではありません。投げ出されないようにしっかり船べりにつかまって移動するが、もう遅い。この時撮った写真の顔は、みんな歪んでいて、「くるしいしゃしん」と我が家で長く呼ばれました。

 やっと島、ティオマン島に着いたものの、しばらくはどこをどう歩いたのやら。マーさんが釣りをするときに使っている格安のロッジがあるから、そこなら予約なしでも泊まれるはずと言います。マーさんの言う事なら大丈夫。5人で1軒。シャレーと呼ばれる小屋が海岸にずらっと並んでいます。見渡せば、おー! なんと美しいビーチ。真っ白の砂浜にヤシの木。金色に輝いて海に沈む夕日。これぞ地上の楽園か? 

 シャレ―とは、窓もあいたまま、ドアもない風通しのよい小屋でした。テラスがあって、入ると2段ベッドが二つ。とはいえウレタン(スポンジとしか思えませんが)にチェックの布がかぶせてあるマットだけ。「エアコンは無いけど、夜通しブリーズ(そよ風)が入るからね。夕食でまた。」とマーさんは隣のシャレ―へ。ここの人たち、おなかに何もかけずに寝るんだね。

 「おい、そう(次男の名前)、トイレがすごいぞ。」と長男の声がしました。奥のトイレのドアを開けている。水洗? たしかに、水洗にはちがいないが、自然の水がずっと流れっぱなしの石の水路なのでした。

 「あら、だれか電気つけた? スイッチどこ?」「いや、自然についたよ。」それもそのはず、島には電気が無く、夜の何時間かだけ自家発電していると後で知りました。夕食はシャレ―群の端にあるレストラン、というか日本で言う海の家。ナシゴレン(焼きめしの目玉焼きのせ、厚切りのキュウリ2枚つき)をいただいて、はじめての夜が更けていきました。闇がおりると、すること、見る物はないので、寝るだけ。波の音がなんと平和でしょう。ヤモリの鳴く声もします。幸い蚊はいません。シャワーはもちろん水だけですが汗をかくほど暑くもありません。明日はきっと、いい日になるよ。きっと…。 ~つづく~

 *下の写真、昨日紹介したお仕事の基本。うちにあるもので作ってみました

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6 つかむ はさむ

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 ほら、ヨーグルトをビスケットに塗ってジャムサンドにしたね。むふっ、かわいい。

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ままごとだいすき。後ろには表札つきのままごとの「おへや」が見えます。

 指先を使う作業は、子どもにとってたいへん重要。脳の発達を大きく助けます。モンテッソリーの「お仕事」では、ちいさな豆やビーズを指でつまんで、お皿に移すことから始めます。豆の種類やビーズの色で2~3種類に分けて移せるように準備し、何も説明せずにゆっくり一粒取って移して見せ、「おしごとおねがいします。」と、与えてみてください。真剣に慎重に分類してそれぞれのお皿に運ぶと思います。1歳児でも喜んでします。もう少し大きい子は、角砂糖をつかむようなトングで、さらに大きい子はお箸ではさむことに挑戦させましょう。幼稚園では、ツバキの実をお箸ではさむ「お仕事」が棚に置いてあります。夏のオープンガーデンに来ていたお姉ちゃんたち(小学生)が、「先生、割り箸ください。」と言うので作りました。トングではすぐにできちゃうからもっと難しいのがいい、とのこと。ちゃんと次の自分の課題が見つけられるようになっていました。

 どの家庭にもすぐにでも使える宝物があります。洗濯ばさみです。厚紙を動物や蝶や鳥のかたちに切って、まわりに挟む場所の印をしてあげれば慎重に上手に色も選んでお仕事をすると思います。洗濯ばさみそのものもまた、ブロックとは一風異なる造形のおもちゃになり、恐竜やお花も作れます。(百均で大量に買えます。)遊んでいるうちに指先の力の入れ方、使い方がじょうずになります。

 このような指の運動をたくさんしているかどうかは、次の、クレヨンの持ち方、筆圧、はさみの使い方のコツの会得に影響を与えます。「お箸の持ち方を園で教えてほしい。」というのは、(海の星カトリック幼稚園にはいませんが)親として恥ずかしいことだと、私は思っていますよ。チャンスを与えるのが親の仕事。子どもは自分から学ぶ天才なのです。

 もっと小さい子なら、新聞紙を与えてビリビリ破くことから始めましょう。包装紙は堅いので薄いものから挑戦。指先が上手に使える子は年長児になるとぞうきんをぎゅっと絞ることができるようになります。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第5回)

 Mr. Mahマーさんは、とっても親切な方でした。シンガポールの空港でニコニコと出迎えて、「わたしも休暇をとって行きますから、ティオマン島(Plau Tioman) に行きましょう。」と言ってくださいました。彼はシンガポールに住む中国人で英語、マレー語そして、中国語は広東語と多分北京語が話せます。この人が案内してくれるなら安心! 自分の車でシンガポールの街をスイスイと走り、「ここはオリンピック選手のためのプールです...」などと教えてくださり、大きなご自宅で奥さまが準備してくださったアフタヌーンティーをごちそうになりました。庭が広くて、調度品、家具が重厚でおしゃれ。シンガポールの人々は、なんていい暮らしをしているのだろう。私、シンガポール観光でも充分いいんですけどね。子どもたちはというと、きれいなおうちなのでお利口にしています。広い芝生の水まきをやらせてもらったりして。

 ホテルで一泊して、そのティオマン島とやらに向かうのは、マーさんの車に乗せてもらったと思います。シンガポールマレー半島の先っぽにある小さな国。その島に渡るにはマレーシアへと国境を越えます。なにやらややこしい手続きがありそうだけど、マーさんがムニャムニャと言うとスンナリ通過。車窓に見えるのはプランテーション。今度ははげ山。あっ、ここもしかして材木を日本人がたくさん輸入して割り箸にしちゃって森林破壊したとこ? と、見るもの全部珍しい。ほこりっぽい道をかなり走って、フェリーが出るという桟橋へ。ここでもチケットやら、他にボーディングパスやら、ちょっと不機嫌そうな人たちがマレー語でまくし立てます。車をどこかに預けて戻ったマーさんにすっかり頼ってお世話になり、やっと乗船。

 えっ? 観光客なんてひとりもいませんよ。買い出しをすませたような大荷物を持ったおばさん、上半身裸のおじさん、ちょっと暗い表情の兄ちゃん…いわゆる地元の島民が島に帰るんですね。フェリーと言っても20人乗りくらい? もちろん、古くてガソリンの匂いがして、油っぽい綱とかが床においてあったりして、シートは緑色のビニールがところどころ破れています。

 そ・れ・で・も...きっと、向こうにはすてきな島があるはず。マーさんを信じよう。子どもたち、しっかり捕まっているのよ。動かないでね。デッキに出たい? やめてよ。もし落ちたら、だれも助けてくれないよ。海は窓から見なさい! 窓、見えないって? あぁ、ガラスかプラスチックか相当使い込んでるね。見えるつもりで見てて。船がでるよ。ブン、ブン、ブン…ボーっ。わぁ、エンジン大きい音。もうおしゃべりしても聞こえない。それにひどく油臭い。 ~つづく~

5 ヨーグルトをそだてる

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 我が家で長年育てているカスピ海ヨーグルト。牛乳を左の器に入れ、右のヨーグルトを1さじ取って混ぜます。常温で1日置くと、きれいなヨーグルトができています。

 月曜日。「ひきこもり」中の食事と栄養について、見てみましょう。運動不足になっていませんか。お通じは正常ですか。お母さんは家族全員の健康管理の担当者ですから気を遣いますね。家族の体重の変化はいかがでしょう。

 今日は、生きた乳酸菌やビフィズス菌を腸まで届けて、さらに乳酸や酢酸を産生して悪玉菌を少なくすると言われているヨーグルトについて。子どもにも食べやすく、腸の蠕動運動を活発にするので便通改善の効果があります。この時期毎日摂りたい食品ですが、買い物も重くなるので、牛乳で育ててみると、子どもたちはきっと喜ぶでしょう。

 ヨーグルトメーカーというものも使っていましたが、ただ温度を一定に保つだけの機能でした。一回に1リットルは多すぎるようになった我が家は、それは卒業。カスピ海ヨーグルトを1回買って、それを牛乳に混ぜてずっと育てて食べています。とろりと固まったら冷蔵庫で保存。4,5日は大丈夫ですし、間違って全部食べてもまた買うことができます。腐ってダメになったことはありません。毎朝バナナやキウイにかけて食べますが、子どもなら、ちょっとジャムを置いてあげると見た目もかわいい。トトロンルームでご紹介したトマトやパプリカのジャムなら年中作れます。フルーツや野菜、ショウガも30%の砂糖と少量の酢を加えて煮詰めるだけです。夏、このヨーグルトはグレープフルーツや小松菜と一緒にスムージーにして、私の元気のもととなっています。

 子どもは糖分の摂り過ぎに注意してください。血糖値が上がって食事の時食欲がそがれたり、疲れやすくなったり、ひいては生活習慣病につながります。慣れですから、多すぎるかなと思ったら、ほんの少しずつ減らして行きましょう。市販のおやつは糖分、脂分が多いので、添加物とともに、注意してくださいね。袋菓子はカロリーの表示を確認して、1回に100Kcalを超えないように。代わりにフルーツや芋類がおすすめです。

 「ヨーグルト、もうできたかな?」と何度も確かめる子どもたちの顔を思い浮かべています。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第4回)

 今となっては記憶が曖昧なので、家族にも取材をしながら書いています。気になるのは、乗れなかったフライトの料金。夫によれば、交渉の末、後日返金されることになったそうです。しかし、時は春節。香港のゴールデンウィークのようなものですから、翌日のシンガポール便が取れたのは奇跡です。きっとその時期の家族5人分は、べらぼうな値段だったのでしょう。今ぞ、夫が明かす真実。カード支払いでも間に合わなくて、もう一枚のゴールドカードを使って支払ったそうです。

 夫がアドバイスを求めたシンガポールの人とは、仕事上のお得意様のようでした。オフィスに戻って電話をかけるが、相手も相当忙しいかたで、連絡が取れなかったと肩を落として夫はホテルに戻ってきました。それからもあちこち電話をかけていましたが、夜遅くやっと電話がつながり、その「救世主」Mr. Mah は、「わかった。どこか探すから、とにかくシンガポールで明日会いましょう。」と言ってくれました。「どこか…?」こりゃ、ミステリーツアーがはじまるらしい。こうなったら、腹を決めて流れに任せましょう。お金はなんとかなるだろう。・・・と、私はいたって楽観的。夫が、「これでは旅行中資金がゼロだ!」と、なんと、オフィスで先輩に頼んでトラベラーズチェック(海外旅行で使える小切手)を貸してもらっていたことも全く知らずに。

 こういう無言のスタンドプレーは男の責任感なのでしょうか? それとも意地? それにしても、脳天気な妻でよかったですね、あなた。まぁ、こういうとき、「だれが悪い」とか「あなたのせいで」とかは話題にしてはいけないことは本能的にわかりますよ。何の解決にもなりません。ことは起こってしまった。そ・れ・で・も、何か希望は残されているはず。命を落としたわけではないのです。とりあえず、めったに食べられないホテルのビュッフェブレックファーストを楽しみましょう。子どもたちは大はしゃぎでおいしそうなフルーツをお皿に盛り付けています。これから始まる冒険がえらいことになろうとは、だれも想像していませんでした。~つづく~

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4 環境にやさしく

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母の日です。朝早く、理事長であるエドムンド神父さまから”Thank you Mother Hisami."とメッセージが送られてきて嬉しくなりました。園のお母さんとしても頑張ろうって思います。皆さまは、もう、お母さんへのありがとうをされましたか? お父さん、子どもたちと一緒に心のこもった一言、お願いしますね。

 日曜日なので、昨年の夏期保育の写真を載せました。以前あるお母さんから、「毎日公園でシャボン玉をしています。」と聞き、子どもにシャボン玉はとっても似合うと思いました。夢、柔らかさ、虹色、希望、飛翔・・・

 今日は曇り空ですが、この世界的な自粛生活によって、多分都市のロックダウンによって、空気は澄んできています。破壊され続けてきたオゾン層が回復し始めたとも聞きました。「環境保護」について子どもたちと一緒に考える時間をとってはどうでしょうか。電気、テレビを消してろうそくで一晩過ごしてみる。エアコンがなかったら、と想像してみる。太陽光発電のパネルや電力風車を見たら、発電について話す。温暖化が進んで熱帯のような生活になったら...と想像して話し合う。そうすれば子どもたちは、ゴミを片付けることや電気や水道の節約など、必ず協力します。この子たちのために私たちはほんとうに真剣に環境を守らなくてはならないのですから。

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第3回)

 「ここで待ってて。」そう言い残して、夫は空港のカウンターの並ぶ方へ消えて行きました。待合の椅子に座って、私の頭の中に何が浮かんだのか、はっきりは覚えていません。夫は、こういう行き詰まった時には、一人でなんとかしようと頑張る人です。即、走り出してしまいます。私は「どうしよう。」と夫や家族の意見を求めながら自分の中であれやこれやと考えを巡らせてから、冷静に動くと思います。よく言えば、自分に無いものを補い合っている夫婦、否定的にとらえれば、性格の不一致。おっと! 困難にあっての誘惑は「否定的なとらえ方」ですよ。ダメダメ。ここではユーモア。スマイル。せっかく張り切った衣装も着ているのですから、と、子どもたちと記念撮影をしました。

 コタキナバル行きの飛行機はその日はもちろん次の日も、どの航空会社でも飛んでいないと肩を落として、戻ってきた夫に、私は、「とりあえず、今日はここ(空港)に泊まらない?」と提案しました。子どもたちの意見も、「バギオ(わたしたちの住んでいる場所)にはもどりたくないよぉ。」でした。5歳の娘は、「みおちゃんにも、まいちゃんにも、みんなに行ってくるって言ったのに、あしたまた会ったら、はずかしいよぉ。」なるほど、出発前に、いつになく近くのフラット(棟)に住む友だち母子が何組か、タクシーに乗るところを見送ってくれたのでした。これで、明日日本人に会おうものなら何を噂されるかわかったものではありません。

 娘の一言が夫を動かしました。「よし、わかった。とりあえず。泊まろう。お父さんはちゃんと探すから。大丈夫だ。」そう言って空港内のホテルを取ってチェックイン。それから、なんとか手に入ったシンガポール行きの往復航空券を押さえて、ひとりオフィスに戻り、シンガポール在住の友人と連絡を取り始めました。 ~つづく~

 

 

3 おかたづけ

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 英語、やってますね。9月にフォニックスが5minutes English で始まりました。ヴィクター神父様手作りの教材でどの文字がどんな音かを少しずつ。教室の空気がピーンとしています。

 

 おかたづけについて。究極のアドバイスは「指定席をつくる」。

 子どものおもちゃや道具が散らばるのはある程度しかたがありません。ただ、「これからお絵かきする」とか「今からじっけんする」とか言うときは、一旦他のものを片付けます。それぞれのおもちゃが帰る場所「指定席」小さい子なら「おへや」でもいいし男の子は「基地」とか「駐車場」など、好きな名前をつけましょう。この機会に一度、子どもと相談しながら時間をかけてそれぞれにピッタリの場所を作ってあげてください。できる子にはその地図も作らせます。(現在、地図をドアの内側に貼って冷蔵庫が片付いています。)

 我が家には小さい棚があったのですが、その下が大きな箱になっていたので、そこになんでも一緒に入れてしまって、部屋は片付くのですが、整理整頓の習慣はどうも育たなかった気がします。ぜひ、仕切れる棚、または百均の箱などでおもちゃが帰りやすい指定席を作ってやってください。自分で「決めてあげた場所」だったら、ちゃんと戻します。幼稚園でもままごとの整理棚を買ってくだもの、肉、デザート、スプーン、などのイラストつきの「表札」をまみせんせいが作ってくれたら、それ以降おもちゃはほとんど迷わずにおうちに帰るようになりました。

 わがままで、「かたづけたくなぁ~い」日もあります。大人もあります。それが続くようならば、治療法もあります。思いっきり出しっぱなしをさせ、カーテンを閉め、突然電気を消してみてください。「ママ~こわい。」と走って来ようとしてもおもちゃが足に絡まります。危険を教える。または、「ここをひろ~くする大会をします。ベルが鳴るまでにたくさんお部屋にもどした人が勝ちね。」と数えながら競争に。ビフォア・アフターの写真を撮って、またはゴロゴロ床を転がり回って広さを実感するのも効果があります。

 さぁ、私も今日は片付けをしますよぉ~!

 

そ・れ・で・も奮闘記 (第2回)

 タクシーは走り出しました。「おとうさん、まにあうの?」と長男は小さい声で夫に聞きます。下の二人はいつものようにつまらないことで口げんか。私はただ無言。多分無表情だったかも。夫は広東語で速く走ってくれと運転手に言ってますが、答えは無い様子。そして・・・やっぱり! 

 香港島から空港のある九竜(カオルーン)に行く唯一の陸路であるトンネル「遂道」にさしかかる手前で、ピタリと交通の流れが止まりました。渋滞。ダメじゃん! これがあるからこの町では時間が読めないのです。だんだん車のなかの空気が重くなってくる。凍りつく。どうみても国際便の登場時間には間に合いません。子どもたちも黙ったままです。やっとタクシーが空港に着いた。わたしたちは空を見上げて、「あれかな、ぼくたちの飛行機。」一機が悠然と滑走路から飛び立っていったのでした。わたしたちの「流浪のたび」が始まりました。 ~つづく~

 

下は子育て講座で英語で挨拶するお母さんたち。たのしそうでしょう。

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2 Thank you をつかおう

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 このいきいきした顔。みんな英語が大好き。金曜日は朝から「今日えいご?」と聞いてくれたり、「今日はFriday オレンジの日だよ。」とウキウキ。各クラスの黒板の上にはらぺこあおむしの一週間があり金曜日はオレンジを食べるのです。

 トトロンルームでも英語の歌をたくさん楽しみました。年中ばら組は Old McDonald Had A Farm の動物の声を含めた難しい歌をすぐに覚えるまで上達しています。年長すみれ組は英語のレッスンはもちろん、1年間、週3回程Fr. Victor の5分間英語を続けてきたし、とにかく1回覚えたら毎日その英語を使って話しています。

 おうちでも使いましょう。教えると思わず、使って下さい。

 恥ずかしがらないこと。発音は皆違っていい。

まず、Thank you.  You're welcome. を使いましょう。おてつだい隊が何かやってくれたら、「ありがとう」に加えてThank you, 〇〇chan. と名前をつけます。これで、「使う英語」になった! 

 何度も繰り返して使っていると、きっとYou're welcome! が返ってきます。そうなったら、今度はものを渡すときや食事を出すとき、Here you are. とか This is for you. を使います。きっと Thank you. が返ってきます。そしたら You're welcome. と、にっこりスマイルを返してあげてね。ここまではぜひ、年少のゆり組さんも続けてみてください。

 こんな楽しい会話ができると、大きい園児はきっと幼稚園で使っていたほかのフレーズを思い出して、子どもたちの口から英語が出てくると思います。Let's go.  とか May I ~?  お茶が欲しいとき、(May I have) tea, please?  など。たべものの名前もたくさん知っていますよ。What fruit(animal, flower, food...) do you like? I like apples. も言えます。

 子どもがもし、「これ英語でなんていうの?」と聞いたらしめたもの。どんどん一緒に言ってみましょう。何度も聞く子なら How do you say .... in English? を使わせて答えてあげましょう。「なんていうのかな?」と調べるところも見せてください。おかあさんも一緒なんだ、と思うと、やる気がでるのです。英語、使いたいのです!

 「おうちでも英語使っていいの? やったー!」のはずです。

 

そ・れ・で・も・奮闘記 (第1回)

 いわゆる海外駐在を命ぜられた夫とともに、香港に3年ほど住んでいたときのことです。当時でも日本人は多く、香港日本人小学校の児童は1500人ほど。日本人の妻たちが集まって毛皮や宝石を買いに行ったり、パーティに誘い合ったり、はたまたあることないこと噂話で盛り上がったりするのが、私は苦手でした。それでも、楽しみがありました。香港から他の東南アジアのリゾート地への航空券やパック旅行が格安で、しかも近いのです。

 その年は、楽園コタキナバルというところに行くことになり、美しい海でちょっと贅沢な気分を味わおうと、私はボタニカル調のつなぎのアウトフィット、つばの広い女優さんが被るような帽子を準備。娘5歳にもお揃いの柄のワンピース、夫にもよく似たアロハシャツ…と意気込みました。夫もまた「海にみんなでもぐるぞ!」とスキューバダイビングの準備を家族5人分買い込んで準備万端です。でも、その朝、「午後の便だからちょっと仕事を片づけてから合流しよう。下のテラス(今でいうおしゃれなカフェ)で待ってて。」と夫が言いました。「下」とは、夫のオフィスは中心街の金ピカのビルの48階にあったからなのです。そのとき、なんだかいや~な予感が確かにしました。

 9歳、7歳の息子と娘と私で軽食を済ませ、約束の時間がきましたが、夫の姿は見えません。「もしかして…」緊張しながらオフィスに電話する私。…当時は携帯がなかった。

「アッ、しまった。ごめん。」と夫の声。今そこ? 地上まで降りて来るのに何分かかるの? 眉間にしわの寄った私の顔を見て子どもたちもことの深刻さに気付いたようで、とても静かでした。それでも、「まぁ、間に合うよ。」という夫の言葉を信じてタクシーのりばに皆でゴロゴロと荷物を引きずっていきました。   ~つづく~

 

下の写真は4月9日のゆり組さんです。みんな、幼稚園をわすれないでね~。

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